ヒートショックじゃなかった!?
今日はあるニュースをちょっとご紹介です。
夏場にこのブログネタもどうかと思いますが、
冬になるまえにしっかりとご紹介させていただきます。
冬場になるとヒートショックで浴槽で倒れた・・・
こんなニュースがよく流れます。
実際のところ交通事故にあう方よりも
ヒートショックにあう方のほうが多いというデータも。
ただ、これは死因が特定しにくいために
ヒートショックでひとくくりにされているだけで、
冬場に浴槽で倒れてしまう原因が「熱中症」かもしれない。
これは千葉科学大の黒木尚長教授が発表した内容です。
その内容をみると、
高齢者の入浴中の事故原因としてヒートショックは1割程度。
8割が疑いがあるものも含める「熱中症」が原因という内容でした。
これは体温37度の人が
41度だと33分、42度だと26分程度で
体温が40度まで上昇し、42.5度を超えると死に至ることも。
熱中症は体温の上昇で、体の調整機能がおかしくなること。
ヒートショックは急激な温度差が体へもたらす悪影響のこと。
今まではヒートショックを防ぐために脱衣室なども含め
室内の温度変化をできる限り一定に保つことが重要。
ということを学んできていましたが、
浴室での事故を防ぐには
41℃以上のお風呂には30分以内で出る・・・
黒木教授の論文の最後にも対策はこの一つと書いてありました。
よし!じゃあ、住宅の高断熱化はいらない!!
というわけではありませんよ♪
そもそもヒートショックのためではなく、
室内の居住環境を良くし、エネルギー消費を省くことがまずは前提。
そして室内の温度差が減ることで
人の運動能力が低下せずに健康でいられるようになる。
ヒートショック対策=住宅の高断熱化
ではない。
なかなか興味深いニュースだったので論文も見させてもらって、
大まかな内容ですがご紹介させていただきました。
断熱・・・
まだまだいろんな研究が進んでいくと
もっと意味合いが変わってくるかもしれませんね。
一級建築士 峯田
2019/08/21