設計レシピ!吹き抜けのデメリット!!
峯田の週末ブログ「設計レシピ!」
昨日に続きまして、峯田が今まで書いてきたブログを
自己否定してみたいと思います。
昨日はオール樹脂サッシのAPW330シリーズを否定。
今日は皆さんもおそらく検索したことがあるはずの
「吹き抜け」についてです。
ネットで「吹き抜け」と検索しようとするとすぐにこのようにでてきます。
「吹き抜け 寒い」
本当に吹き抜けは寒いの?
①吹き抜けは寒い!
まず、物理的なところで。
空気は温度が上がれば体積が大きくなります。
重さが変わらずに体積が増えれば密度が小さくなる。
反対に温度が下がれば体積が小さくなり密度が大きくなる。
この結果、暖かい空気は「上へ」、冷たい空気は「下へ」
ということで、吹抜けがあると温かい空気が上に行ってしまうので、
吹き抜けの下の部屋(通常だとリビングやダイニング)に
冷たい空気が溜まってしまって寒くなる。
物理的な部分から考えると絶対にこうなります。
ここで家づくりの勉強を止めると「吹き抜け=寒い」が答えになります。
ただし!!パッシブハウスなど高気密・高断熱の家づくりをしている
日本の住宅会社や設計事務所の施工実例を見てみてください。
どちらかというと「吹き抜け」がある家がおおく見られます。
なぜか?吹き抜けが寒いのは、
「吹き抜け」が原因ではなく、「家の断熱・気密」がまずは原因。
これがクリアできなければそもそも吹き抜けのある間取りを提案してはダメ!
これは今後の設計レシピで紹介させてもらいたいと思います。
②音や匂いが2階まで伝わる!
これはもちろんその通りです。
通常は1階の天井が遮る音と匂い。
物理的に天井がなくなるのが吹き抜けです。
なので、音と匂いは確実に2階へ通じます。
だからこそ家族のつながりを持たせるために吹き抜けという選択をする。
1階の天井で遮られるのは音と匂いと家族のつながり。
リビングやダイニングへの重要度が増すからこそ、
2階の個室にいながらも1階でも家族の気配を感じられるように
リビングやダイニングに吹抜けを設ける。
ではないのですか?
③部屋がつくれない!
その通り!
吹き抜けの大きさにもよるかもしれませんが、
昨日お引き渡しさせていただいたYAMATO川島田の家は
吹き抜けだけで12帖あります。
もし仮に吹抜けがなかったら12帖の部屋が作れたかもしれません。
これはオーナー様ご家族の要望によっても吹抜けの重要度は変わります。
ただ吹き抜けはそもそも部屋です。
なにをいっているの?
昨日のYAMATO川島田の家の吹抜けにある5本の縦長の窓。
こちら側は南西の窓です。
あまり大きな窓が欲しい方角ではないですが、
お昼過ぎからの太陽の光を室内に取り込むためには窓が欲しい方角。
ただこちら側は2階建てのアパート。しかもバルコニーがコチラを向いています。
隣地からの視線が気になる方角。
ただキッチンが奥まっている位置にあるYAMATO川島田の家。
夕食を作るときに薄暗い場所で調理する・・・
それだけでも憂鬱になりそうですね。
だからこそ重要なのが吹き抜け。
家の中でも重要なLDKに陽の光を行きわたらせるためにも重要なのが
吹き抜けという部屋なのです。
④怖い
これが一番困るデメリット。
高所恐怖症の方にとって吹き抜けは高所にあたるときがあります。
こればかりは高所恐怖症を治してくださいとは言えないです。
高所恐怖症の方は吹き抜けをあきらめてください・・・
とはならないでよいのでは?
断熱・気密、採光、間取り。吹き抜けが作りたいけどあきらめる。
いえいえ。答えは単純です。
手摺を変えればいいだけのこと。
これは既製品では難しいのかもしれませんが、
YAMATOの家のように鉄骨や木などさまざまな素材で
手摺を作ってくれればYAMATOの家のオーナー様ご家族のように
高所恐怖症の方でも吹き抜けが可能になります。
⑥掃除がしにくい
吹き抜けには高い部分に窓が設置されるようになります。
外側はバルコニーがあればまだよいですが、
ないと外側の窓ふきは基本的にはできません。
室内側も窓枠部分にホコリがたまりそう・・・
確かに掃除がしにくいです!
ただし掃除道具って掃除機や雑巾しかないのですか?
それこそ皆さんが得意なネットで検索してみてください。
「高所 掃除 モップ」
このようにネットで検索するだけでも簡単にでてきます。
確かに掃除がしにくいですが、
キッチンのレンジフードと同じです。
毎日レンジフードを掃除されている方いらっしゃいますか?
大掃除の時などに行っていませんか?
それと同じです。やるぞ!!となるかどうかだけのような気がします。
まだいろいろありますが、
ざっとネットを検索してみてもこの辺りがヒットしたので
ご紹介させていただきました。
吹き抜け・・・
開放感が増すだけしか説明できないような家の提案を受けたら
やめたほうがいいですよ。
維持管理や空気環境、音環境、採光、断熱、気密、空調負荷。
いろんな知識がないと提案できないのが吹き抜け。
建築士の知識が試されているというのが最大のデメリットなのかもしれません。
ただこれは建築士側のデメリットなだけですけどね・・・
YAMATOの家 峯田
一級建築士事務所 YAMATOの家
https://www.yamato-k.net/house.htm
YAMATOの家 公式 インスタグラム
https://www.instagram.com/yamato_house/?hl=ja
YAMATOの家 公式 Houzz
https://www.houzz.jp/pro /yamatonoie/__public
2021/06/06