YAMATOの家の設計・・・
たまにはしっかりと専門的なブログとさせていただきます。
昨日ですが、あるお客さまの土地について検討。
なにを検討していたかというと「日の当たり方」です。
YAMATOの家が大事にしている1つに
太陽をうまくつかう設計というものがあります。
太陽エネルギー・・・
太陽光発電だけではなく
冬場に室内へ陽の光を取り込むというのは
とても重要な設計ポイントです。
パッシブデザインという設計手法ですが、
アクティブデザイン「設備や機械的な設計手法」のような
全館空調、床暖などの設備を使いこなす設計デザインではなく、
「太陽や風、空気」など自然のものを設計デザインに取り込む。
そのようにご理解いただけると幸いです。
ただ太陽など自然のものをどのように設計に取り込むか・・・
これはなかなか難しい点があります。
その中で陽の光についてYAMATOの家が使うのが
「日影図」というものです。
日影図というのは簡単にいうと「どのような影を落とすか」
ということに利用されるものです。
戸建て住宅のみの設計だと使うことがないものですが、
中高層建築物と呼ばれる10mを超えてくるマンションなどを設計すると
必ずと言っていいほど触ります。
私ももともと中高層建築物の設計を行っていたので
この日影図はかなり作ってきた図面の1つです。
通常は自分たちが設計した建物が
近隣さんにどのくらい日影を落とすか・・・
皆さんが気にする「日照権」というもの。
戸建て住宅で日照権を争うことは難しいですが、
中高層建築物になると、日影図をご近隣の皆さんに説明する義務みたいな
「近隣説明会」というものを行わなければならないことが多いです。
これは各市町村などでさまざまなのですが、
解決しなければならないや説明さえして行政に報告すればOKなど。
その辺はさまざまです。
なので通常は自分たちが設計したものにつかうのですが、
反対に、周りに今あるものがどのような影を落とすか。
それを調べるのにも使えます。
例えばこのように画面の上が「北」下が「南」
この北側の土地を買って家を建てようとします。
南側には今、家が建っている。
今ある家の位置や高さを入力して、
御殿場市の緯度を入力して、
北を指示してあげて、
ポチっとな・・・
これは地面の高さに何時にどのくらいのエリアが影になるか。
それを教えてくれています。
12.0という表記が「12時の日影の位置」を示しています。
ムムム・・・土地のほとんどが日影・・・
この測定高さを変えると・・・
通常の2階建ての2階の床の高さ・・・
床が高くなる分、影のエリアは小さくなります。
これなら吹抜けを作って家の中に陽の光を取り入れることができるかも?
次は太陽が高い位置になる「夏至」
こんな風になります。
この場合は自分たちの家で庇などの設計が
パッシブデザインには重要ですね。
バルコニーや屋根の形状をどうするか・・・
陽の光を減らす設計手法が重要。
このような検討に日影図をつかうことも重要なポイント。
今回は単体の家で行いましたが、
住宅街などだと複数の家が立ち並ぶこともあります。
それでも1つ1つを入力すると複数の建物を複合的に検証した
日影図を作り上げることもできます。
これがYAMATOの家の設計部隊の家づくりの1つ。
住宅専門で設計していると触ったことのない人もいるような
ちょっと特殊な図面。
でもこれができると、家の配置や間取りを
お客さんに提案する情報としてすごく意味をなします。
この内容をもとに飯塚が土地の購入を止めることもあったりします。
今回は方位なども含めて簡単なシミュレーションです。
マンションになると、自分たちの設計が複雑になればなるほど
この日影図がかなり面倒・・・
ちなみに建築基準法で一定の規模、地域に該当すると
この日影図を着工前の許可申請で提出しなければならない場合もあります。
日影図・・・
御殿場だと土地が広すぎて、そもそも隣の家はどこ!?という時もありますが、
分譲地や住宅街だと結構重要な日影についての検討方法。
たまには一級建築士らしいブログとさせていただきました。
YAMATOの家 峯田
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2022/02/23