空を味方に
家を建てるためには土地が必要です。
日当たり、周辺環境など気になることはありますが、
建築士として注意しているのが用途地域とそれに絡む斜線制限です。
地域によって、建物が建てられる高さが決まっています。
そして「北側斜線制限」「道路斜線制限」といった
規定の範囲については決められた高さ以上の建物が建てられない
という地域があります。
このような斜線を超えて建てられないんです。
マンションなどで、上の階に行くほど先細りになっていくのを見たことがあるでしょうか。
これらも斜線制限にかからないよう、
斜線にあわせて建物の形状を変えています。
従来はその斜線制限が厳しかったのですが、
2003年に建築基準法が改正され、
新たに「天空率」という考え方が追加されました。
簡単に言うと、斜線制限を超えて建物を作っても
空が沢山見えるようにすればOK、という考え方です。
それによって、従来は斜線に沿って建物形状を変えなければならないところを
天空率を利用して自由な設計ができるようになりました。
この天空率。
計算が非常に複雑で難しい考え方です。
ただ、天空率を扱えるようになることで
オーナー様ご家族が希望する形状の建物を建てることができたり
敷地を有効活用できたりとメリットは大きいです。
今回も、本来は道路斜線にあたるところを
天空率を採用することで道路ぎりぎりまで建物を建てることができました。
今後も建築士としてオーナー様ご家族の皆様の家づくりに関わるにあたって、
日々切磋琢磨していければと思います。
小宮山
2023/04/25